アロマテラピーの歴史と精油がつくられるまで

古代エジプトではミイラをつくる際に、精油が使われていました。植物から抽出した香りの成分は、単に心を安らげるものとしてではなく、生活に、また人体に役に立つものとして扱われていたのです。そんなアロマの歴史と精油の精製について、基礎知識として知っておきましょう。

アロマの歴史とは?

紀元前4000年前のエジプトでは、既に芳香植物が香水としてだけではなく、精神や身体の治療や、料理、ミイラの製作に活用されていました。その意味では、アロマテラピーは既に4000年の歴史を持っているのです。古代ギリシアでは、哲学・科学が発展しましたが、医学の基礎となる芳香植物の研究も盛んでした。古代ローマでは、日常衣生活の中で香りがもてはやされるようになります。

日常的にはお風呂に入らない時代のことですので、現代よりもかなり体臭が強かったと思われます。そんな時代ですので、特に女性がたしなみとして香りを好むようになったのかもしれません。皇帝ネロは特に熱狂的な香り好きで、妻が亡くなった時にはローマ中を芳香植物で取り囲んでお香としたといわれています。

アラブでは香りの蒸留法が確立され、10世紀ころになると十字軍がアラブからハーブや蒸留法の知識を持ち帰ります。15世紀ころには精油が伝染病の感染防止に役立つと言われ重宝されるようになりました。19世紀になると化学の発展により合成化学薬品に注目が集まり、アロマは衰退します。

しかし、20世紀に入り第二次大戦後に負傷兵の治療として用いられたことがきっかけとなり、アロマが再び見直されるようになりました。その後、マッサージに精油を取り入れることで精神と肉体とのバランスが整えられることが知られるようになり、美容にも活用されるようになります。現代では、代替医療、保管医療として用いられるようにもなってきています。

精油はどのように作られるのか?

精油の抽出方法には、3種類あります。水蒸気蒸留法、圧搾法(あっさくほう)、溶剤抽出法です。

水蒸気蒸留法はもっともポピュラーな方法で、原料の植物を窯に入れ下から熱い蒸気を噴射して加熱します。水蒸気の熱で植物の細胞壁が壊されて、水蒸気とともに芳香成分が蒸発するのです。それを冷却タンクで冷やして芳香成分と水分とを分離します。うわずみとなる精油をすくい取り精油とします。残った水分にもエキスが含まれており、これは「フローラルウォーター」として活用されます。

圧搾法は、レモンやオレンジスイートなど柑橘系の精油を抽出する際に使われる方法です。果皮を機械で押しつぶし、中の精油を押し出すのです。この方法で抽出された成分は「エッセンス」と呼ばれます。エッセンスには紫外線に弱い性質があります。

溶剤抽出法は、ジャスミンやバラなど水蒸気蒸留法や圧搾法では抽出しにくい植物に使われます。揮発性の溶剤に植物を入れ、一定時間浸した後に溶剤から取り出し、アルコールにつけます。この方法で抽出されたものを「アブソリュート」と呼んでいます。

アロマは4000年の歴史をもつとても古くから使われてきた、自然療法です。水蒸気蒸留法、圧搾法、溶剤抽出法の3つの方法で抽出された精油は、さまざまな効果を発揮します。